私にとっての祖父に当たる、私の母の父は、母曰く元々病気をしている体だったという。そんな祖父がついに危篤となったとき、母はこんな夢を見たという。夢の中で母の暮らす家庭に突然刃物を持った強盗が来て、祖父は母のことを強盗が振りかざす刃物から守るように身を張り、身代わりのようになって死んでいったと。そしてその夢から覚めた翌日、祖父がまさに息を引き取ったという。
母は、お父さんは死ぬ直前に自分に逢いに来てくれて、身代わりになってくれたのだと言っていた。今思うとその強盗はまさに祖父を苦しめていた病魔や死神というたぐいのもので、そういう悪いものから母のことを守ったのだろうなという気もする。話しを聞いたとき、祖父は亡くなる直前の最期まで純粋に母のお父さんだったのだなと思った。